こんにちは、ttyです。
栃木県庁で5年、長野県庁で8年、計13年間を県職員(林業(林学)の技術職員)として働いていました元公務員です。
詳細はプロフィールページなどをご覧いただけるとうれしいです。
FAQページを開設しました。
※随時更新いたします。
「ブラック企業」という言葉がここ数年で定着したように思えます。
就活をしている学生に「この職業はブラックですか?ホワイトですか?」と聞かれることもあります。
「残業代が適性に支払われているか。」
というのはブラック企業とみなされる大きなポイントになるようです。
(っていうか違法ですけどね。)
「公務員って満額もらえるんでしょう?」
「いやいや、ほとんどもらえないって聞いた。」
「実際はどうなの?」
今回は、そんな、あなたにむけて、「公務員の残業代は満額もらえるのか」について、なるべく私の経験も踏まえて書いてみました。
公務員試験の残業代は満額もらえるの??~手当などをまるっと解説5「超過勤務手当」~
公務員の残業代「超過勤務手当」
国家、地方問わず、公務員の残業代は「超過勤務手当(ちょうかきんむてあて)」という手当で支給されます。
金額は、下記の金額で計算され、給料日に、前の月分が支給されます。
- 定時~午後10時までは、1時間あたりの給与×1.25
- 午後10時からは、1時間あたりの給与×1.50
事前命令が原則だが実態は?!
残業のことを超過勤務(ちょうかきんむ)と呼びます。
ルール上は、超過勤務は、上司に残業する事前に命令されることで発生します。
・・・というタテマエになっていますが、実際のところ、ほとんどの場合、各々の職員がその日に残業した実績を事後に上司に申請しています。
(タテマエ)
残業する前
①課長⇒係長⇒担当(事前に残業を命令する)
②担当⇒係長⇒課長(事前に超過勤務を申請する)
(実際)
残業した後
②担当⇒係長⇒課長(事後に超過勤務を申請する)
※①省略
それでも私は、なるべく事前に申請するようにしていましたが、
どうしても、予測ができなかったり、慌ただしくて、事前の申請ができないことも多かったです。
申請した分は満額もらえる・・・が?
超過勤務手当は「申請した分」は満額もらえます。
な~んだ。
やっぱり満額もらえるんだ~
・・・しかし、落とし穴があります。
あたり前ですが、
「申請した分」はもらえますが、「申請しなかった分」はもらえません。
本当に全てを申請できるのか?という問題です。
実は、超過勤務手当は、予算の都合上、はじめから上限が決まっています。
災害の発生など、緊急の場合は、補填される場合がありますが、
基本は、所属部署に当初割り振られた予算内で賄う必要があります。
特に出先機関などにいると、年度末頃には、「あと一人3時間で抑えてくれ。」
とか普通に言われます。
県の場合は、本庁勤務は出先機関に比べると激務であり、超過勤務手当の予算は、比較的多くあります。
それでも、組織目標として、超過勤務を対前年比20%減とかいう目標があると、「年間〇時間までに抑えてくれ。」ということがあります。
そもそも本庁にいた時は、忙しすぎて、満額の超過勤務手当はいらないから、もう残業したくないと思っていましたが・・・
このため、実際にはそれらの状況を忖度して、各々が超過勤務の申請を調整しており、それを超えた分はサービス残業も発生しているのが実態です。
午後10時以降の深夜の時間帯については、手当の割合が異なりますが、深夜にたとえ残業していても、何故この時間まで必要だったのか、理由を厳しく追及されるので、めんどうで申請する人が少ないです。
まとめ
本庁勤務などで、忙しい部署にいなければ、サービス残業はそれほど多くないと思います。
本庁勤務で忙しい部署にいたときは、申請したらえらいことになるくらい残業していましたが、
もろもろのしがらみで「申請しない」ため、サービス残業となり隠れてしまっていました。
「まだもらえるだけいいではないか。」
という人もいました・・・
そう思いたいのもわかりますが、問題がすり替わっているように思えます。
どちらかと言えば、忖度して調整して、実態と問題の本質が隠れてしまい、いつまでたっても改善されないことが問題ではないかと思います。
行政組織は働き方改革などを率先していく立場ではありますが、
まずは自分たちから、実態を把握して、改善していくことが大切です。
これから、学校を卒業し公務員試験を受ける方、公務員への転職をお考えの方の少しでも参考になればうれしいです。
今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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日本の「ワークライフバランス」のパイオニアと言えばこの人。(株)ワークライフバランスの代表取締役社長「小室淑恵」さんです。
私が、ワークライフバランスに興味をもちはじめたきっかけとなった著書です。その後、小室氏のセミナーなどにも参加しました。
当時はなかなか周囲にも理解されませんでしたが、10年くらいたって「働き方改革」などが国レベルで提唱されている世の中になるとは思いもよりませんでした。
小室氏は「好む、好まざるに関わらず、必要となる時代になる」と当時から、指摘していましたが、まさにそのとおりになってきています。
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