こんにちは、ttyです。
栃木県庁で5年、長野県庁で8年、計13年間を県職員(林業(林学)の技術職員)として働いていました元公務員です。
詳細はプロフィールページなどをご覧いただけるとうれしいです。
FAQページを開設しました。
※随時更新いたします。
公務員は育児休暇などの制度が整っており、しっかり取得できるので、女性には働きやすい職場だと言われています。
実際に制度を活用している女性職員自身も、仕事と両立させるため、かなり努力しているという事実はあまり知られていませんが、
制度の整備状況に関して言えば、概ねそのとおりだと思います。
では、男性はどうでしょうか?
私には2人の子どもがいますが、特に下の子が生まれたときは、
仕事と両立しながら、上の子の面倒はほとんど私が見ていました。
今回は、その時の体験もふまえながら
「公務員の職場で男性職員は子育てしやすいのか?」
について書いてみました。
公務員の「子育て事情」~公務員の職場で男性職員は子育てしやすいのか?~
公務員の育児等の支援制度
公務員の職場では、子育てを支援する制度は、民間企業の手本となるべく、法令で定められている制度はもちろん、独自の支援制度もかなり充実しています。
地方公務員の育児休暇の取得率は
女性99.1%
男性3.6%
出典:総務省「地方公共団体の勤務条件等に関する調査」(平成29年)
となっています。
なお、民間企業では
女性83.2%
男性5.14%
となっています。
出典:厚生労働省「平成 29 年度雇用均等基本調査」
民間企業の場合、企業の規模によるバラつきが相当数ありますので、一概には言えませんが、地方公務員と比較し、女性の取得率が低く、男性の取得率が高い結果になっています。
男性の育児休暇が、低空飛行であり、以前の1%代より微増した印象です。
育児は1人ではできない
2人の子どもを育ててみて、痛感しているのは、
「育児は1人ではできない。」
とうことです。
もちろん子どもはカワイイですが、
長時間、長期間の育児は、休む間がなく
時間と体力と気力のバランスをとるのが、本当に大変だからです。
「自分の子どもなんだから、自分でなんとかしろ。」的ことをいう人がいますが
当事者を精神的に追い詰めるだけで、何も解決しません。
核家族で、専業主婦が子育てを専門にやっていた時代は、長くみても、ここ50年以内の話であり、歴史的にみても、祖父母や地域コミュニティと一緒に子育てをしていた時代の方が圧倒的に長いのです。
たくさんの人の手で子育てをすることは、合理的かつ安心・安全な手段だと考えていますが、パートナーと協働するのは、最低限必要だと思います。
公務員の職場で男性職員は子育てしやすいのか?
男性でも制度自体は充実
公務員の育児支援制度は、男性でも充実しています。
(男性が利用できる育児支援制度)
制度名 | 概要 |
育児休業 | 3歳に満たない子を養育する場合に取得できます。 |
育児時間 | 3歳に満たない子を養育する場合、勤務時間の始めと終わりなど1日2回(1回につき30分以内)以内で取得できます。 |
時間外勤務の免除 | 3歳に満たない子を養育する職員が請求した場合、その職員の業務上著しく困難な場合を除いて時間外勤務をさせてはならないこととなっています。 |
部分休 | 子が小学校就学前までの間、その子を養育するため勤務時間の始め又は終わりに、1日2時間以内で取得できます。 |
育児短時間勤務 | 子が小学校就学前までの間、その子を養育するため4つの勤務形態(週3日で19 時間25 分~週5日で24 時間35 分)により時間短縮した勤務できます。 |
深夜勤務及び 時間外勤務の制限 |
小学校就学前の子を養育する職員が請求した場合は、その職員の業務上著しく困難である場合等を除いて深夜勤務や1カ月24時間、1年間150時間を超えて時間外勤務をさせてはならないこととなっています。 |
時差勤務制度 | 小学校就学前までの子を養育している場合や児童クラブに託児している小学生の子を迎えにいく場合、午前7時30分から午前9時30分の間で勤務開始時間を変更することができます。 |
子の看護休暇 | 中学校就学前までの子を養育する場合、その子の看護をする必要があるとき、又は予防接種や健康診断を受けさせるとき、養育する子1人で1年に5日以内(養育する子2人以上の場合は10日以内)で取得できます。 |
※長野県の場合
取得しやすいかは職場による
実際のところはどうでしょうか・・?
男性職員が子育て支援制度を利用しやすいのか、子育てしやすいかは、
完全に「職場やメンバーによる」と思います。
比較的、激務になりやすい本庁よりも出先機関の方が取得しやすいです。
また、本庁でも、子育て支援などを推進している部局では、取得しやすいです。
さらに、そのときのメンバー構成よる部分もあります。
子育て中の職員や子育てを経験している女性が多い職場などは取得しやすいです。
以下は、私の体験談です。
(体験談)里帰りしなかった2人目の出産
私が公務員をしていた頃、上の子が4歳の時にしたの子が産まれました。
妻の実家は県外であり、私の実家は県内ですが、車で1時間程度かかるくらいの距離でした。
1人目の子の時は、妻が里帰り出産をしたのですが、下の子の時は、上の子が幼稚園に通っており、環境をあまり変えたくないと思い、現在の居住地での出産をすることにし、子育ては基本的に夫婦のみでなんとかすることにしました。
(体験談)仕事しながら子育ての難しさが身に染みる
出産後も、しばらくは、妻は安静にする必要があるため、出産後しばらくは、家事全般と上の子の面倒を見るのが私の役割でした。
利用した制度は、以下のとおりで、育休は仕事の量的に無理で、時短勤務は給与が減るので、利用しませんでした。
- (朝)子どもを送るため「育児時間」休(30分)
- (夕)子どもを迎えにいくため「育児時間」休(30分)+有給(2時間)
(朝)
洗濯をして、上の子の弁当を作り(ついでに自分と妻の弁当も作る)、朝ご飯を作って、上の子を幼稚園に送っていき、仕事にいく
(昼間~夕方)
時短勤務(実際には有給を細切れに使っていました)で、早めに仕事を切り上げ、上の子を迎えにいく。
買い物や夕飯の支度をして、子どもをふろにいれて、寝かしつける。
(夜)
終わらなかった仕事をする。(たまに子どもが起きてくるので、また寝かしつける)
という一日のパターンでした。
正直、休む間もなく、しんどい・・・!
っていうか、仕事時間が短くて、どうやっても終わらない!
しかし、お迎えには絶対間に合わせなければ・・・
夜やるか・・・
という毎日。
働きがら、子育てと家事をやるって半端ないです。
世界中のワーキングマザー・・・いや、主婦の方もすごく尊敬しました。
でも、幼稚園の先生やほかのお母さん方などには、たくさん助けていただきました。
ありがとうございます!
(体験談)理解を得られなかった職場
職場の上司に相談した際に愕然としたのは、
「応援します。だけど、仕事に支障のない範囲でお願いします。」という言葉でした。
・・・いや、支障があるから相談してるんだけどね。
50代半ばの上司、本人的には、何の悪気もないんだろうけど、
わからないことってそんなもんですかね。
実際、誰もほとんど余裕のない激務の職場だったので、
ストレスもたまるから、頭ではわかっていても、子どものために早く帰るとか休むとか
理解されにくい環境だったとは思います。
毎日「お先に失礼します。」といっても、誰も無反応・・・
という感じでした。
〇〇休暇という言葉が誤解を生みますが、仕事を休んでいても、それ以外は休んでいません。
その孤独感もつらかったな~
一応、なんとか、仕事には、穴はあけませんでしたけどね・・・
そもそも、激務激務の殺伐とした職場であり、日頃のコミュニケーション自体も不足していたのかもしれません。
こんなことなら、おもいきって、まとまった育休をとる方がよかったのかもしれません。
しかし、当時の上司に「まさか育休とるとか言わないよね?」と、悪気なく先制パンチをくらっていたのもあり、育休なしでもなんとかなるか~と始めたものの、実際はちょっとしんどい生活でした。
よくわかっていない上司の悪気のない発言や忙しい職場の雰囲気にのまれずに、
早め早めに根回しして、頑張れば、育児休暇でもいけたかもしれないです。
仕事も他の人に平謝りしてお願いすることもできたかもしれません。
当時の私には、そこまでの勇気がなく、身を削って対処することになっていましました。
しかし、本庁の激務の部署で、男性ばかりの職場、自分の子どもの子育てに関わってきていない上司や同僚、または独身の職員ばかり・・
という、悪条件では、ちょっと自分にも同情したいかなと思っています・・・・
1年後くらいに、子育て支援研修という研修があり、対象者だったので出席しました。
その研修では、男性も利用できる制度の概要や育休の取得経験者の体験談などを聞きました。
体験談を語っていた職員は、私と同年代。
「おもいきって育休をとったオレ、いけてるでしょう。」と言わんばかりに意気揚々と語っていました。
完全に私の嫉妬ですが・・・ちょっと泣きそうでした。
まとめ
育児と仕事の両立が大変だという話をした際に、
ある知人に言われたことがあります。
「でも公務員だから、そういう制度が利用できるんでしょう?民間ならクビになるよ」
そんなことはないと思うが・・・?
※ちなみに、その知人は、パートタイムの仕事しか経験がないので、そもそもあまり参考になりません。
本当にそうなら、そんな会社クビになって結構だと思いますし、
これからの時代は人材が集まらないので、つぶれるのは会社の方だと思います。
子育て支援制度と子育てを支援する文化、これらは、育児を支える制度の両輪だと考えています。
現在は、公務員の職場であっても、男性も女性も、育児支援制度を利用するには、本人の並々ならぬ努力によりなんとか成り立っています。
発展途上ではあるものの新しい時代は、子育て支援制度と子育てを支援する文化、これらがかみ合った育児支援制度となっていってほしいと思います。
これから、学校を卒業し公務員試験を受ける方、公務員への転職をお考えの方の少しでも参考になればうれしいです。
今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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最近、小室さんの本の紹介が多いかもしれません。(全部読んでいるので・・・)
子育てと仕事は対立するというまだまだネガティブな印象をもつ人がいたり、「キャリアダウン」のようなイメージをもつ人もいます。
この本には、子育てから生まれる付加価値を見つめ、企業の戦略に合理的に活かす発想が書かれています。
子育て経験者にしかできない発想、有効に活用し、付加価値にできる企業には人材が集まり、これからの時代は生き残っていくと思っています。
※できる範囲ですが、試験対策や仕事内容、働き方などの無料相談も受け付けております。
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