「公務員の肩書がよくわからん。」というあなたへ~主事、主任、主査、〇〇官・・・?~ vol.70

公務員の仕事
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こんにちは、ttyです。

栃木県庁で5年、長野県庁で8年、計13年間を県職員(林業(林学)の技術職員)として働いていました元公務員です。

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(⇒「公務員のリアル」FAQを見る)

※随時更新いたします。

何らかの事情で、行政と接点のあった方は、担当者の名刺をご覧になると、

「主事 〇〇(氏名)」とか「主査 〇〇(氏名)」とか書かれていると思います。

これは一体なんだろう??と思う方も多いと思います。

今回は、世間ではあまり知られていない「公務員の肩書」について書いてみました。

「公務員の肩書がよくわからん。」というあなたへ~主事、主任、主査、主幹、〇〇官・・・?~

 役職以外に肩書がある不思議な職業

名刺交換の画像

 種類が多い「肩書」

公務員は「役職」以外に、誰でも肩書をもっています。

地方公務員で多いのは、「主事、技師、主任、主査、課長補佐」など

国家公務員では、「〇〇係長、〇〇官」など

です。

地方公務員(長野県庁)の場合の目安は以下のとおりです。

表の下にいくほど、上位の肩書になります。

肩書 年齢 内容
主事 20代~30代 「行政職」の下っ端
技師 20代~30代 「技術職」の下っ端
主任 30代~40代 中堅職員
主査 30代~40代 中堅職員、主任より上
主幹 40代~50代 主査と担当係長の中間
担当係長 40代~50代 係長という役職はないけど「係長級」という意味
専門幹 50代~(40代後半の場合もある) 担当係長に高度専門技術があるという意味がつく(技術職のみ)
課長補佐 50代~(40代後半の場合もある) 係長をやっている人にプラスされる場合が多い
副参事 50代~ 課長という役職はないけど「課長級」という意味。
出先機関で係長をやっている人にプラスされる場合が多い
企画幹 50代~ 課長という役職はないけど「課長級」という意味。
本庁で係長をやっている人にプラスされる場合が多い
参事 50代~ 部長という役職はないけど「部長級」という意味。
課長をやっている人にプラスされる場合が多い

民間企業では、一般的に、何等か役割をもつ「役職」がるときにはじめて、

〇〇課長、チーフ、主任、チームリーダーなどの肩書がつきます。

部下がつくことも多いです。

しかし、例えば「課長補佐」は役職の係長をやっている人にのみプラスされるなどのルールがあるものの、これらの肩書は役職(決裁権の範囲)とは基本的に関係がありません

私が退職前の数年は「主任」という肩書でしたが、

何かの特別な仕事の主任を務めていたわけではありませんし、もちろん部下のいませんでした。

「これくらいのレベルの職員」という意味です。

なお、実際に仕事ができるかということではなく、組織内の秩序のような位置づけです。

これは在籍年数などによっても上がります。

年齢の目安にはなるかもしれません。

「役職」は、ほぼ3種類しかない。

民間の役職にあたるものは、ほとんどの部署で以下の3つしかありません。

役職 年代目安 内容
係長 40代後半~ 係の管理職
課長 50代~ 課の管理職
部長 50代後半 部の管理職

役職のある場合は、前述の「肩書」と一緒にして、

「課長補佐兼〇〇係長」とか、「企画幹兼〇〇係長」とか呼ぶ場合もあります。

「企画幹兼課長補佐兼県営林係長」という上司がいました。

もやは、何をやっている人なのか、一般の人には容易には理解できない気がします・・・。

さらに特徴的なのは、

係長ではないけど「担当係長」だったり

課長ではないけど「副参事」「企画幹」だったり

部長ではないけど「参事」だったり

わざわざ「〇〇級」をアピールする役職が容易されていることです。

何のフォローでしょうか?

どうして肩書をつける必要がるのか?

明治政府の画像

どうして公務員には、このような「肩書」がつけられるようになったのでしょうか。

いろいろと調べてみましたが、起源ははっきりとはわかりませんでした。

しかし、今の官僚機構自体は、明治政府がドイツなどを参考に作った仕組みを基本的に踏襲してきているようです。

その時代は、国民などに政府の権威を示し、先導していくことが求められていたと想定されますので、少しでも、対外的な権威性を示す必要があったのかもしれません。

実際、現在でも国家公務員の方が肩書のつけ方がかなり、露骨です。

国の役人は、ほとんどが20代で〇〇係長になります。

しかし、実際にはその係はその人しかいない「一人係、一人係長」という場合がほとんどで、極端な話、人の数だけ係があります。

しかし、実際にはただの担当者の一人だったりします。

〇〇官も、〇〇係長よりは上ですが、実際は担当の一人にすぎません。

例えば、林野庁系の機関で、「流域調整官」という役職があります。

「流域を調整」する大がかりな仕事を統括している役職のように見えますが、

具体的にその仕事があるわけではなく、ただの担当の一人です。

地方自治体よりも、若いうちから、ちょっと上にみえる役職をつけたがるのも、中央集権が色濃かった時代の名残なのかもしれません。

また、公務員の世界では、はっきりとした評価基準が設けにくこともあり、仕事の成果が報酬に結びつきにくい仕事です。

そのため、モチベーションの維持にも一役かっているのかもしれません。

「おれ主査になったぜ・・・!」みたいな感じでしょうか。

昇進の基本は年功序列だが、最後の方は人により異なる

名刺の画像

主事(技師)~主査までは、何か問題をおこさない限りは、在職年数とともに、誰でも上がりますが、係長級以降は、人により異なります。

退職までずっと担当係長や主幹の人もいます。

しかし、意外だったのが、そこまで年収の差が大きくないようです。

部長級までなっても、支給額ベースで1,000万に届くかどうかというところですが、そこまで出世しなかったとしても、差額が200万にも満たないようです。

しかも、それは50代後半の数年の話です。

役職が上がるほうがモチベーションが上がるのかもしれませんが、

地方公務員の場合、金額だけでみると、極端な差がでていないのが実情のようです。

まとめ

組織の習慣として役職以外に肩書があるだけのことで、とくにそれ以上に意味はありません。

したがって、相手の肩書にビビること必要はなく、このくらいの年代の職員なんだな~くらいにとらえていただければ、いいのではないかと思います。

これから、学校を卒業し公務員試験を受ける方、公務員への転職をお考えの方の少しでも参考になればうれしいです。

今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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