こんにちは、ttyです。
栃木県庁で5年、長野県庁で8年、計13年間を県職員(林業(林学)の技術職員)として働いていました元公務員です。
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今回は、公務員試験の定年延長について書いてみました。
公務員試験の定年延長について~定年延長により生涯賃金は増えるのか?~
年金の支給開始年齢引き上げにより、みんな定年延長
現在、政府が国家公務員の年金延長を検討しています。
国家公務員の定年は60歳ですが、定年を65歳へと延長することになります。
社会保障制度の見直しの一環として、年金の支給開始年齢を引き上げが予定されており、男性は2025年まで、女性は2030年までに支給開始年齢が65歳となります。
これに追いつく形で定年の延長を行う必要があり、
民間では、2013年の改正高齢者雇用安定法により、2025年までに段階的に定年を65歳までに延長することが義務付けらえています。
今のところ、民間企業の定年延長は、あまり進んでいないようですが、民間を先導する形で、国家公務員の定年延長を進めることになっているわけです。
日本以外の国はどうか?
欧米諸国では、国家公務員はそもそも最初から65歳定年の場合が多く、最近は定年自体を撤廃している国が多数派のようです。
「生涯現役でいてくれ。」というわかりやすい構造です。
一方、米国などは、年金の支給額自体が大きいので、早々に退職する人も多いようです。
定年延長により公務員の生涯賃金は増えるのか?
「定年延長により、長く働くので、生涯賃金は増えるのか?」という問題ですが、
結論から言えば、国家公務員の生涯賃金は良くて現状維持、むしろ減る可能性も高いのではないかと考えられます。
公務員の仕事は、固定費用の中の人件費の割合が高い、いわゆる「労働集約的」な仕事です。
予算そものもは、組織部署毎に立案するものを集約して審議する方式であり、すでに多くの分野で複雑になりすぎて、硬直化しており、大幅な削減が困難な構造になっています。
また、人件費の大幅な増加は、世論からの反発も受けやすいです。
したがって定年が延長したからといって、人件費を大幅に増やすことが困難であると思われます。
「人件費一律〇%カット」というのは、世論の受けもいいかもしれませんが、内部からの反発も大きい案です。
また、これだと若い職員の負担が大きくなるので、個人的にも起こってほしくないと思っています。
現実的な手法として、以下のようなことが起こり得ると思います。
- 現在50代前半で行われていることの多い「昇給据え置き(昇給ストップ)」をさらに早期に(40代から)行うようになる
- 退職金の段階的な削減
これらの特徴は、さりげな~く段階的に進行することで、職員からは生涯賃金の低下がわかりにくくなる点にあります。
国家公務員に対する総支給額(生涯賃金)はなるべくかえずに 、「細く、長く」といった給与モデルになるのではないかと考えられます。
地方公務員も定年が延長される
国家公務員で行われることは、これまでの例からも、必ず地方公務員でも行われます。
定年の延長の主旨が、年金支給額の引き上げという主旨であれば、地方自治体でも定年を延長しない理由がなくなります。
実際には、退職して、再任用という方法もありますが、国の方針に基本的に合わせていく自治体が多いと思われます。
まとめ
現状からすれば、総支給額を変えずに、在職中の支給額や退職金などの引き下げは避けられないと思います。
また、現状の制度改革の状況からは、公務員に限らず、民間でも、定年延長した場合の60歳~65歳の間の賃金の割合が、5割~7割程度に落ち込むことにもなるそうです。
多くの職業で、給与所得以外の収入や、副業などの収入を得る必要があることは明らかであり、公務員の副業なども、定年延長などと合わせて解禁していくことも大切ではないかと思います。
これから、学校を卒業し公務員試験を受ける方、公務員への転職をお考えの方の少しでも参考になればうれしいです。
今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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