こんにちは、ttyです。
栃木県庁で5年、長野県庁で8年、計13年間を県職員(林業(林学)の技術職員)として働いていました元公務員です。
詳細はプロフィールページなどをご覧いただけるとうれしいです。
FAQページを開設しました。
※随時更新いたします。
今回は、「私が公務員を辞めた理由」について書いてみました。
私が公務員を辞めた理由
1.本当にやりたいことを始めるタイミングを逃したくない
私は、もともと生き物を育てたり観察することが好きでした。
子どもの頃は、動植物を観察したり、図鑑を読むのが好きで、そのせいなのか、森林関係の学部へ進学しました。
森林の知識を活かした職業として、地方公務員の技術(林業)職を選択し、県職員となりました。
仕事も、決して嫌いではなく、やりがいもある仕事でした。
13年やったので、中堅職員として、様々なことをこなせるようになってきたと感じていました。
しかし、「同時にこの仕事と生き方が本当に一番やりたいことなのか?」
という疑問はむしろ大きくなっていきました。
在職中から、独立起業や農業ビジネスに大変関心があり、
いつか起業して観光農園経営などをやりたいと長年思っていました。
しかし、公務員だからというよりは、給与収入が安定して入ってくるサラリーマンを一度やってしまうと、それを辞めるのは結構勇気が要ります。
正直ビビっておりました。
時間ばかり過ぎていく中、ふとあるとき、家族の10年先を想像しました。
私には二人の子どもがいます。
上の子が7歳、下の子が3歳になっています。
10年したら、17歳と13歳です。
大学進学以外にもさまざまな選択肢が普通になる世の中になっているかもしれませんが、
私の場合・・・多分、その時に在職中であれば、子どもの学費などが心配になり、仕事を変える決断ができないように思います。
数年しがみつきたくなるかもしれません。
あと少し・・・あと少し・・・・といいながらも、時だけが過ぎていきそうです。
そのあと、体力的にも、メンタル的にもチャレンジする力が残っているのか、今の自分には、想像ができませんでした。
「子どもが小さいのに・・・」と言われることも多々ありますが、
子どもが小さいからこそ、毎日活き活きとした自分の姿をみせたいし、
子ども一緒の時間も今だからたくさんほしい。
そして、逆に言えば、お金が本当にかかるようになるまでの時間もまだあると言えます。
ある人がいいました。「でも、みんな我慢しているんでしょ。」
何も変えずに、がまんする人だって、その人なりに、現状を変えないという重大な判断をしており、
どういう風に生きても、それぞれに思う一番幸せを追求すれば、いいのだと思います。
これからの10年くらいは、一番自分らしく生き、一生働き続けられるものを自分なりに確立するために使おうと思いました。
2.公務員の仕事の本質が個人的に合わない
世の中では「公務員」という共通の仕事があるように言われることがあるようですが、実際には、本当に様々な分野に渡り、生活や世の中に存在する者や仕事にはほとんど関わっています。
私は、「林業職」という、比較的狭い範囲の技術職でしたが、
それでも、栃木県庁で出先機関2か所、長野県庁で出先機関2か所と本庁、と通算13年間で5か所ほど異動(転勤)しました。
仕事内容も地域も違う職場を転々としましたが、自分の中で共通していると感じたのは・・・
「様々なルールの制限の中で、人の間を調整し続ける仕事」だということです。
「決められたことだけやってればいいんでしょ?」と言われることもありますが、
正解でもあって、間違いでもあります。
決められているのは、法律や事務処理のルールです。
ルールを使って、どのように問題を解決していくかが公務員の仕事本質であり、
「決められたとおりにやれば済む」という場面は、実際にはほとんど存在しません。
社会的な権力者が自分の意向をごり押ししようとすることもあります。
企業の営利活動が住民の意向とぶつかり板挟みになることもあります。
法律や制度が現状に即さずに、制度の仕組みを変えていくよう頑張る時だって、あります。
そして、本当に重要な局面では
たくさんのことが決められているしがらみがある中で、人と人の間に立ち、「答えのない答え」をさがすことの方が多いです。
ひとの間に立つ仕事が超楽しい!調整はやりがいある!など、
これが向いている人もたくさんいるとは思います。
世の中に必要な仕事だとも思います。
でも、少なくとも、その仕事は私には向いていなかったのではないかと思います。
その他、「将来にわたり、本当に安定しているのか?」という疑問をもったことも正直なところです。
(参考記事)
これから、人は長生きし、長く働く「長期間労働」の時代となっていきます。
世の中の動きもふまえて、世間の勝手なイメージや、やったこともない人の雑音に惑わされず、
行政の仕事の、「現在ある安定性」だけではなく、人生の相当期間を費やす仕事として、自分にとってはどういう意味をもつのか、考えていくことも大切ではないかと思います。
このブログを書こうと思ったきっかけの1つでもありますが、
いいことも、悪いことも含めて、経験した者の率直な、世間ではそれほど知られていない「公務員のリアル」をお伝えすることで、様々な視点を提供することができればと考えています。
これから、学校を卒業し公務員試験を受ける方、公務員への転職をお考えの方の少しでも参考になればうれしいです。
今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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