こんにちは、ttyです。
栃木県庁と長野県庁で計13年間を県職員(林業(林学)の技術職員)として働いていました元公務員です。
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※随時更新してます!
テレビなどで「国会中継」が生放送されていたり、ニュースで国家答弁などが報道されるときがあります。
高そうなスーツ着たたくさんのエラそうな人たちが、議論しているイメージ国会。
実は、県や市町村などの地方自治体にも、それぞれ「都道府県議会」「市町村議会」が存在します。
地方自治体の議会は国会をコンパクトにしたようなイメージです。
来年度の予算を承認したり、法律(地方自治体の場合は条例など)を作ったり、変えたりしています。
議員のパフォーマンスに注目が集まりますが、あの場にいる人たちが答弁するためには、裏方の役人の並々ならぬ、努力があります。
今回は、そんな「議会の裏側」について、書いてみました。
議員からの質問への回答は役人が作る
議会のメインは「答弁」
国会や県議会、市町村議会いずれの場合でも議会の運営のメインは「答弁」(とうべん)です。
簡単に言えば、議員が質問して、それに行政が回答するというものです。
国会であれば、国会議員が質問し、総理大臣又は関連する大臣などが回答します。
県議会であれば、県議会議員が質問し、知事又は関連する部局長(〇〇部長)などが回答します。
答弁は役人が作る
一見、県議会議員が質問し、即座に知事や部局長がスラスラと回答しているように見えます。
実は、事前に質問を把握しており、担当部局で回答を作成し、それを回答しています。
実際には、質問をする前々日には、秘書課を通じて、県議会議員の質問を収集。
質問の重要度により知事の答弁なのか部局長の答弁なのかを判断し、回答の作成が担当部局に割り振られます。
その仕事を担当している担当者が、質問への回答を作成し、上司のチェック、関連部局との調整、さらに回答者(知事、部局長)の決裁をもらいって、やっと完成します。
完成までに、内容や「てにおは」などを含め何度もやり直しになることもあり、関連部局からの要望で書き直しになる場合もあります。
様々な質問が入り乱れていて、上司がなかなか捕まらないこともあり、決裁をとるために深夜まで待っていなくてはならないこともあります。
精神的にも肉体的にも膨大な労力がかかるため、
担当者は、自分の担当業務に関する質問がないかいつも気が気ではありせん・・・。
霞ヶ関の官僚が長時間労働になる最も大きな原因が「国会」だというのもうなずけます。
議会あるある
議会のときの「待機」とは?
前述の「質問」が出そろうまで、「待機」が行われます。
「待機」とは、定時になっても質問が出そろうまで、帰らないで待っていることです。
質問が出そろえば「解除」と言われ、関係ない人は帰宅することもできます。
なお、この「待機」は、厳密に言えば、命令してはいけないことになっています。
そのたえ、明確に「待機をしろ」と言われることはありませんが、実際には、無言の圧力と慣習により、皆残っています。
「待機」がないのだから「解除」も言う必要はなく、実際言われなくて帰ってもいいのかわからない時もありますが、所属長が良識のある人だと、関係ない人が帰れるように、明確に伝えてくれます。
直接関係なくても情報収集に奔走・・・
実際に自分の担当に質問がなかった場合でも、他部局の回答などが、自分の担当部署に関係している場合などは、どのような回答をするのか情報収集が求められます。
私は、森林の開発の許認可に関わる業務の部署にいた際に
現在も建設中の某高速鉄道の建設に関わる許認可を担当していました。
県庁内には、この高速鉄道を推進する部局もあり、注目されている巨大プロジェクトであることから、関連する質問が結構ありました。
また、一般に「メガソーラー」と呼ばれる大規模太陽光発電施設の建設が急増し、住民トラブルなどが多発していた時期にも、これに関連する質問が多かったです。
メガソーラーは森林や農地に建設されることが多いため、開発許可という面で関連していました。
そのたびに、上司から、情報収集するように指示され、その部局に回答内容などを聞きにいっていました。
本当にこちらに関連する質問であれば、むこうから調整に来るのですが・・・・
県庁内では、このように、あらゆる情報事前に「知っておきたい、把握しておかなければならない」とう考えの人間が多いです。
9割がたムダな労力になることがわかっているので、正直嫌でした・・・・。
議会答弁は議員のパフォーマンスの場
議会答弁は、どれほどの人が関心を寄せているのかはわかりませんが、
議員にとっては、自分の存在をアピールする場であることから、しつこく何度も質問してくる人もいます。
「前回も前々回も議会で回答しているじゃない・・・・」という人もいれば、
やたら質問が多くて、その議員も持ち時間内に全部質問できなくて、回答も全部無駄になったということもあります。
主旨がわかりにくく、事前に議員に質問したり、回答内容に慎重をきたす場合など、答弁の前にあらかじめ回答の了承を得ることもあります。
国会でも、答弁の2日前に提出するというルールが徹底されていないため、前日徹夜になったりすることも多いようです。
県議会では比較的、そのようなことはありませんが、回答する側のことも考えてほしいものです・・・・
まとめ
議員は「自分のパフォーマンス重視」
役人は「卒なく回答することに命をかけている」
本来は、国民、県民、市民の代表である、議員が自分の主義主張の観点から、議論を尽くすというものだと思います。
議会に関しては、本来の姿と現実の姿には若干のギャップがあるように思えます。
今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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