こんにちは、ttyです。
栃木県庁と長野県庁で計13年間を県職員(林業(林学)の技術職員)として働いていました元公務員です。
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民間企業では、いわゆる「花形部署」というものが存在する場合があります。
新事業の企画部署であったり、主力商品の営業部署など会社の特性により個性があります。
公務員の仕事では「花形部署」や「出世コース」というものが存在するのでしょうか?
県庁勤務の10数年の経験も踏まえて解説したいと思います。
「花形部署」は存在する
「管理」系の部署の権力をもつ
結論から言えば、県庁にも「花形部署」に近いものは存在します。
一般的には「管理系の部署」
具体的には「人事」「財政」「秘書」系の部署です。
その他「会計」や「企画」「法務」も組織内の影響力は強めです。
いわゆる出世する人が必ずこの仕事を経験しているということは言い切れませんが、高確率で経験する仕事だと思います。
これらの部門は、県庁内のどの部局も何等かの形で関係しているとともに、人事、予算や幹部との調整などが権力となり他の部局への影響力が大きくなります。
人事や予算を司る財政が強いのはイメージがしやすいと思いますが、知事や副知事との調整役になる「秘書」部局も相対的に権力が大きくなります。
権力のある部署との調整担当者も相対的に権力をもつ
また、管理系部局との調整役になる、担当者も相対的に権力が大きくなる傾向があります。
例えば、私の所属していた林務部局でも、予算の立案時には、林務部内の予算・会計担当に予算案を承諾してもらわなければ、予算の仕事が成立しません。
林務部内の予算担当は、予算部局の担当者との調整役となり、何か不備があれば、予算担当者経由で修正指示や説明を求められる場合などがあります。
また、各部局には「部長付」という部長の秘書業務を担当する職員がいます。
部長への決裁や副知事や知事への説明をしたい場合には、部長付を通さなければならないので、相対的に権力があるような構造になります。
実際に権限があるわけではありませんが、何となく「お願いする形」になるためです。
部長付は比較的若い20代後半~30代前後で配置されることもあるため、中には職務上の立場を勘違いして態度がどんどん大きくなる職員もいました。
課長級の人がいろいろとお願いにくるので、ちょっとした増長もやむを得ないかもしれません・・・・異動すればただのヒラ担当ですが。
管理系の部署が権力が大きい理由は?
「人事」、「財政」、「秘書」などの管理系部署の権力が行政組織内で大きくなるというのはどういうことでしょうか。
行政組織がそれだけ、組織運営のオペレーションや内外の調整業務に偏った組織だということです。
仕事が複雑に絡み合い、組織を維持運営していくこと自体が高度なスキルが必要になってしまっているからではないかと考えられます。
これらの部局の仕事は私のような技術系職員ではなく「行政職」の職員の分野になります。
林務部局でも、人事担当や予算担当は行政職の職員が占めていました。
私は県庁を始め行政機関は基本的には「行政職」(事務職)の組織だと考えていますが、このような背景によるものです。
仕事ができるとはどういうことなのか
「花形部署」的な仕事をしている人は「仕事ができる社会人」なのでしょうか。
私は、必ずしもそうではないと思っています。
組織内の調整や管理・オペレーションに対して適正がある人が、たまたま評価される組織であったというだけのことです。
同じような能力が、現地機関の現場に近い場所では全く役に立たないこともあります。
民間企業では全く違うルールでの能力が求められることもあります。
自身で起業してビジネスをしていれば、さらに違うルールで仕事をすることになります。
私は退職後に民間企業でも働き、今は自分のビジネスをしていることもあり、痛切に感じていることです。
「仕事ができる」という言葉には前提となるルールが無数に存在し、それだけ幅があると考えています。
まとめ
管理系部署が権力をもつ行政機関内にあって、技術系職員は、行政組織全体で見れば、主役になれないのかもしれません。
しかし、それが必ずしも自身の仕事の満足度や幸福度に直結するのかは全く別の話です。
部局間や幹部や議員などの調整に追われているよりも、県民や現場と向き合っている方が向いていて、輝ける人もいます。
多少の出世の有無で極端に給料の差も出ないのが公務員です。
これからの「長期間」労働時代には、単純に出世したから満足度が高いということは言い切れないと考えています。
もはや「出世レース」という言葉は、すでに死語であり、同じ公務員であっても、どういう働き方を目指したいのか、自分の中の働き方のルールも大切にしていく時代だと思います。
今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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