こんにちは、ttyです。
栃木県庁と長野県庁で計13年間を県職員(林業(林学)の技術職員)として働いていました元公務員です。
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実は、公務員の職場では、年々、うつ病などの精神疾患になる職員が増えています。
今回は、
「公務員のメンタルヘルス事情」として、
私の経験も踏まえて、その実態や何故精神疾患が増えてしまうのかに迫ってみたいと思います。
年々増加する公務員のメンタルヘルスの実態
国家公務員のメンタルヘルスの現状
国家公務員、地方公務員を問わず、精神疾患が増加しています。
人事院によると、平成28年度の国家公務員の長期休業者(1か月以上)の数は5,326人であり、全職員の1.94%です。
そのうち、「精神及び行動の障害」を理由とするものは、3,487人であり、休業者数のうち65.5%が、いわゆる精神疾患による休業であることがわかります。
これらの数値から読み取れることは、国家公務員では、約1%以上、100人に1人が「精神疾患」により長期病休となっているということです。
長期病休になっていない人も含めれば、もっと割合は増えると推察されます。
なお、省庁別、本庁と出先機関別の公表はされていないため、具体的にどのような仕事をしている職員なのかは、はっきりとはわかりませんでした。
(参考)
地方公務員のメンタルヘルスの現状
地方公務員の場合はどうででしょうか?
一般財団法人 地方公務員安全衛生推進協会の「地方公務員健康状況等の現況(平成29年度)」によると、
平成29年度の職員10万人当たりの、長期病休者数は、2,519.5人であり、そのうち、「精神及び行動の障害」を理由とするのは、55.9%となっています。
これは年々増加しており、10年前の1.4倍、15年前の2.8倍です。
10万人あたりのという数値がわかりにくいので、ちょっと計算してみますと
長野県職員が5,200人くらいなので、
5,200÷100,000×2,519.5=131 人
約2.5%の職員が 「精神及び行動の障害」 で長期病休となっていることになります。
※実際の数値ではなく、平均値をあてはめた場合の仮定の数値です。
15年前くらいに、「精神及び行動の障害」が見落とされている可能性もあるので、一概に比較はできませんが、年々増加しているのは事実です。
地方公務員においても、精神疾患の職員数は年々増加傾向にあり、長期病休者の過半数を占めており、国家公務員と同様の傾向が見られます。
(参考)
何故、公務員に精神疾患が増えてしまうのか
実際に多かった精神疾患の職員
私が県職員として働いていた13年間で、出先機関4か所、本庁で1か所の職場を経験しましたが、どの職場にいっても、必ずと言っていいほど、精神疾患の職員がいました。
その理由は様々ですが、必ずいました。
本庁では比較的少ない傾向にありましたが、精神疾患になる人が少ないわけではなく、
精神疾患になった場合に、翌年にすぐ出先機関へ異動になっていることが多いためです。
就職して最初の頃は、不思議に思っていましたが、そのうち、段々と普通のことのようになっていっていまっていました・・・・今思うと怖いです。
実は私自身も、本庁勤務の時に、
某高速鉄道の建設やメガソーラーなど大規模開発の開発許可の案件を担当していたときに、事業者と反対派住民の板挟みになったり、
県の幹部職員からの目まぐるしい要求などの対応などにほとほと疲れ果て、
「うつ病寸前」という状況を体験してしまいました・・・・。
何故精神疾患が増えてしまうのか
何故、精神疾患の職員が多くなってしまうのでしょうか?
職員のメンタルが弱いのでしょうか?
私は、そんなことはないと思います。
どちらかと言えば、忍耐強く、辛抱強く、仕事を続けている人が多いです。
むしろ、その忍耐強さが仇になる構造だと考えられます。
国家公務員の職場では、国会対応などで政治家に振り回されて、疲弊してしまうということもあるようです。
担当業務が一人に偏り過ぎて、一人でがんばって、精神疾患になってしまうというケースもありました。
前任者の不正が発覚し、その問題に対処していく過程で、疲弊してしまうケースもありました。
マスコミや政治家の「公務員叩き」に触発されたクレーマー への対応に疲弊してしまうケースもありました。
すなわち、
- 行政組織は縦割りで業務が割り振られており、担当者が抱え込み期待に答えようとする傾向のある人たちの集合体であること。
- 内部の顧客(議員や幹部等)の理不尽な要求に振り回されること。
- 外部の顧客が不特定多数(納税者全般)であるとともに、理不尽なクレームが増加していること。
公務員の職場には、このような要素が集まっているからだと私は考えています。
まとめ
「お客さんを選べない仕事」というのは、一般的にストレスが溜まりやすいと思います。
ここでいう顧客には、外部のお客さんのほかに、内部の上司や組織に対する利害関係者やキーパーソンなども含みます。
民間でも、組織や運営が硬直化し、官僚化したような企業では、同じ傾向があるのではないでしょうか。
税金で運営されている行政の仕事は、全体への奉仕という、顧客を選べない仕事の究極形です。
100人に1人以上が精神疾患で休業していることが「普通のこと」なわけがありません・・・。
表面的な対策だけではなく、構造的な面も含めて検討することが無ければ、年々増加していくだけです。
どうか、行政組織も現状にしっかりと向き合ってほしいと思っています。
そして、働いている人も「明日は我が身」であり、他人ばかりではなく「自分」をねぎらい、楽しませることも忘れないでほしいと思います。
今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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