「技術職員は行政職(事務職)より出世しにくいの?!」という話 vol87

出世街道の画像 公務員の仕事
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こんにちは、ttyです。

栃木県庁と長野県庁で計13年間を県職員(林業(林学)の技術職員)として働いていました元公務員です。

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国家、地方問わず、公務員の仕事は「行政職(事務職)」と「技術職」という採用の区分があります。

行政職は「なんでも屋」、技術屋とも言われます。
技術職は「特定の専門分野の仕事」、事務屋とも言われます

インターネット上のウワサなどでは、
「行政職(事務職)の方が技術職より出世する。」
といった情報を目にすることがあります。

今回は「行政職(事務職)より技術職の方が、出世しにくいのか?」

といったことを、地方公務員(県庁)の場合について、
経験も踏まえお伝えしたいと思います。

行政職と技術職の出世のホントのところ

昇給は基本的に同じスピードです

県庁の地方公務員の給与は、各県で定める県規則により、定められており、民間企業の平均給与などを参考にして、改正されていきます。

具体的には、職種毎の「給与表」という表に記されるのですが、

研究職や医師、防災へりのパイロットなど、特殊な職種を除く、殆どの技術職は行政職と同じ給与表を使うことになっています。

公務員の場合、給与表に沿って、毎年少しずつ昇給がされていくため、昇進に伴う給与などの条件は、行政職と事務所での差はありません。

給与体系そのものが違うのではないかと誤解を受けますが、
役職がつかない限りは基本的同じなので、「行政職と技術職の年収」も同じと考えていいと思います。

では、行政職と技術職は何が違うのか?

では、行政職と技術職で違いが現れる部分は何でしょうか?

それは、「役職(ポスト)の数」です。

知事や副知事などの、県の最高幹部の人たちは、
選挙で選ばれる(知事)、知事が任命するといった、県職員以外から選ばれることになります。
※生え抜きの県職員から任命されるケースもあります。

生え抜きの職員は、最高に出世した場合で、部局長(〇〇部長など)ということになります。

この部局長のポストが行政職の方が技術職より圧倒的に多いです。

例えば、林業職では、長野県の場合、「林務部長」というポストしかありませんが、
行政職では、「総務部長」「財政部長」「企画調整部」などなど10倍くらいあります。

最近では、技術系の部局の部長も行政職の人が就くケースも増えており、
長野県でも、ここ数年は、事務職や技術職の人が交互に就いていたりしています。

また、土木関係の部長は、必ず国の出向者を充てるポストだという県もあり、そもそも技術職でも関連の部長にすらなれないことも多くなってきています。

出先機関の長(地域振興局長等)なども行政職のポストであり、

つまり、行政職の人がつける上位のポストの数の多さは技術職の比ではありません。

このあたりが、
「行政職は技術職より出世できる。」
と言われる所以ではないかと思います。

これからどうなるか?

ぶっちゃけて言えば、行政組織は「行政職」で構成されている組織です。

どうしても、事務屋さん」の勢力が強いため、

これから、AIの導入が進み、人員体制の合理化も進む背景もあり、技術職員の役割自体が限定的になるように思えます。

部局を統廃合し、部長職を行政職の人が務めたり、技術職はさらにポストがなくなっていくことが考えられます。

「事務屋さんの方が出世する」傾向は強まるのではないかと思います。

まとめ

今回の記事は、「出世」という観点で考えたのですが・・・・

必ずしも、上位の役職につくことが、仕事をしていく上で本当に大切になるかは別の問題だと思います。

というのも、私が在職中に目にした部局長の仕事が、全く楽しそうには見えなかったからです。

とくに議会中などはいつもピリピリして不機嫌な人が多い印象でした。

それなら、出先機関で、若い人たちや地域の方とワイワイやりながら、仕事したいよなあ・・・と思ったものです。

最高位に出征しても、左団扇で・・・とはいかないのが今の行政組織です。

むしろ、議会との調整や、県幹部とのやりとりで、より大きなストレスを抱えることになるかもしれません。
その重圧に見合う報酬かと言えば、県の場合極端な差はないようです。

それも、退職する直前の2~3年程度の話です。

どちらが自分にとっていいのか、答えは、皆さん違うと思います。

今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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